木材 天然乾燥室倉庫 新築工事
前回はスギ板外壁のお話で終わってしまいましたが、今回は天然乾燥倉庫のお話をいたします。
前回の動画をご覧になられた方や、インスタでもUPしているので、詳しい方は「ん?」と疑問に思うところがあります。
それは、外壁などの仕上げ材の下に貼られている透湿防水シートが無い事です。
雨漏れを防ぐ重要なシートを何故貼ってないのかと。
通常はこのようにピタッと透湿防水シートを貼ります。
それは、今回倉庫と言う事もありますが、外気を建物内に入れたい。
これが重要で、なぜなら生木を倉庫にて保管し自然に乾燥させるのですが、通常は屋外で放置していても2年程度はかかると言われていますので、密閉空間ではもっと時間がかかってしまいます。
そこで、空気が循環出来、コーキングに頼らない雨漏れリスクを最小限には大和張りが良いかなと思い採用しました。
室内から見た写真ですが、土台付近で光が見えると思います。
ここから外気が流入してくるので、透湿防水シートがあると、出来ません。
更に、強制排気の換気扇やシーリングファンも活用し、空気を室内に取り入れる(強制的に引っ張るイメージ)工夫もしています。
燃料(重油・軽油等)を一切使わず、簡易的な装置で木材を乾燥する事で木材本来の香りが強いので、調質効果やリラックス効果も期待が出来ます。
燃料を使わないので、二酸化炭素排出量の削減にもつながります。
換気扇やシーリングファンは数台設置していて、季節(湿度)毎に個別で制御できるようにしています。
この建物は構造計算(許容応力度)を行い耐震等級3。
室内側の壁倍率が少なく、今回使用した部材はJ建築システム(株)さん「耐震開口フレーム」
赤枠の部分
構造計算をしなければ見落とししていた部位、ここの強度で悩んでいた所、とあるご縁でご教授頂き耐震3がとれたのです。
シャッター開口5m。全幅16.5m。
今回なぜ倉庫なのに耐震等級3、それも構造計算(許容応力度)をした理由は、以前もブログで書きましたが、
あっては困るのですが、万が一の大震災が起きた時にここを何らかの形で使ってもらいたい思ったからです。
建築に携わる使命としての考えです。
いよいよ、来月より可動しますよ~。